タラバガニの産地の違い
日本で食べられているかにの中でも豪華でごちそうのイメージが強いタラバガニですが、産地は国産だけではなく、いろんな場所のものがあります。
例えばノルウェー産、ロシア産、アラスカ産などです。
もちろん、それぞれに味の違いなどがありますのでそれについても知っておきましょう。
国産
まず国産であれば北海道のものがあります。
北海道産はオホーツク海から栄養豊富なプランクトンが流れてくるため、それを食べるかにも栄養豊富で身が引き締まったものが育ちます。
ただし北海道では禁漁区、禁漁期間などもありますから獲ることができる期間は限られています。
しかし国内産なだけあって水揚げした後すぐに加工することができますから新鮮なものを食べることができます。
ただ、やはり価格が高いことがネックで、一般家庭には不向きなものとなっています。
北海道産以外であれば北陸産のタラバもおいしいと評判です。
ロシア産
タラバガニの中で最もおいしいといわれているのがロシア産です。
北海道産と同じくロシア近海のオホーツク海では良質なプランクトンが豊富にあるのですが、春になると流氷が溶け出してプランクトンが大量に増殖します。
これがタラバガニのえさとなるので、たっぷりと食べることができ、かに自体の栄養も豊富になって身付きも良くなるのです。
たくさんえさを食べることで体つきも大きくなりますし、旨みも強い最高級のカニへと成長します。
ロシア産のカニは新鮮さを保つために生きたまま日本へと運ばれてきて、国内で加工され市場へと出てきます。
加工は塩ゆでや急速冷凍などをします。
ノルウェー産
ノルウェーではカニの食べ放題が行われているため、日本人観光客がそれを目当てに旅行に行くこともあるほど人気です。
そもそもノルウェーにはタラバは生息していなかったのです。
しかし数十年前にロシア西部にあるバレンツ海にタラバを放流したことがきっかけで、ノルウェーのフィヨルドにもタラバが生息するようになったのです。
しかもノルウェーにはタラバの天敵がいないことやノルウェー人がカニを食べる習慣がないことからどんどん増殖していき、現代のタラバの食べ放題ができるようになったのでした。
一般的にタラバが生息しているのは水深が30mから350mほどの場所です。
しかしノルウェーの場合、あまりに増えすぎてしまって水深が浅い場所にまで生息しているほどです。
そのため、ノルウェーではタラバの輸出を積極的に行うようになっていて、タラバを食べる習慣がある日本には特に多く、輸入されています。
現代の日本にあるタラバの多くはノルウェー産であるといっても過言ではないほどです。
ノルウェー産のものも生きたまま輸入され、それを国内で加工して販売されています。
味も身の大きさも抜群で、ロシア産と並ぶほどの高級タラバとなっています。
アラスカ産
タラバは寒い地で育ったもののほうが身が引き締まっておいしいといわれていますが、アラスカ産のものも体つきが大きいものが多く、旨みもつまっています。
しかも大きいものが多いといわれているロシア産やノルウェー産よりさらに大型のタラバを獲ることができるということでアラスカ産をメインに漁をしている業者にも人気です。
アラスカ近辺の海にも良質なプランクトンが豊富に含まれていて、タラバは大量のえさを食べることができるため、大型のものが多いのです。
しかもアラスカには禁漁区がほとんどないので漁を安定して行うことができるため、アラスカ産は大きくておいしいタラバを他の産地のものよりかなり安く手に入れることができます。
しかし唯一気になる点といえば、アラスカ産はロシア産やノルウェー産などと違って生きたまま輸入されるのではなく、現地で加工されてから輸入されます。
そのため、専門業者であっても細かな品質の違いを見つけにくいというところがあります。
通販などでもカニ専門のお店がありますから、おいしくて新鮮なカニを誰かに贈りたい、あるいは家族でタラバガニパーティーをしたいという時などに利用してみるのも良いでしょう。
また実際に自分でお店をまわっておおいしいタラバを選ぶ時にはいくつかのポイントをチェックするといいです。
一番注意しなければいけないのはタラバとよく似た見た目のアブラガ二という種類と間違えないようにすることです。
甲羅の中心からお尻の辺りにかけて突起が6つあればタラバガニなので、そこを数えてみると間違えずにすみます。
アブラガ二はこの突起が4つしかないのです。しかもアブラガ二はハサミの根元を見ると青いので、それも見極めるポイントになります。
そして重さが重く、脱皮直後ではないかにを選ぶようにします。
脱皮直後のかには体力を消耗しており、ほとんど動かないので筋力が発達していませんから身つきもあまり良くありません。
甲羅に黒いブツブツがついているものは脱皮してから時間がたっているものの可能性が高いので、それを一つの目安として見てみるのも良いでしょう。